特殊な状況

July 24, 2012 by Konstantin Komarov  
「特殊な状況」
by コンスタンチン・コマロフ

 現代武術では、練習場や道場の外で起こることは全て特殊な状況と見なされる。しかし、私たちの取り上げる特殊な状況とは、私たちの通常の動きや知覚を制限する要因のことである。では、その中の2つの要因である暗闇と水について考えてみよう。
 暗闇は、周囲の状況に対する私たちの認識に非常に大きな影響を及ぼす。一方、水は私たちの動く能力を変化させる。私たちはこれらを練習で最大限に利用して、型にはまった画一的な考え方を取り除くのに役立てるべきである。それでは特殊な状況で役に立つ便利で簡単なエクササイズを2つ紹介しよう。

暗闇での練習に備える
 まだ明るいうちに、次の一連の動作を試してみよう。
 まず、公園か森の空き地に立つ。その場所に、石、棒あるいは帽子など物を置いて目印にする。次に自分から10~15歩離れたところにある木を選ぶ。それから目を閉じて、歩き出し、その木を見つけ、出発した場所に戻ってみよう。
 もしこれができたなら、最初の木から10~15歩離れたところにある別の木をもう1本選び、目を閉じて、出発点から最初の木に向かって歩く。次にそこから2番目の木に向かって歩き、最後に、目を開けずに出発した時と同じ場所に戻ってみよう。もし2、3回やってみて、このエクササイズが楽にできるようであれば、あなたの方向感覚は非常に優れている。つまり、暗闇は必ずあなたの味方になってくれるだろうということだ。

水とストライク
 このエクササイズはパートナーと組んで行う。まず、小石を10~15個くらい集め、首くらいまで水に入る。それから自分から50~80センチくらい離れた水面に向けて、パートナーに小石を1つずつ投げ込んでもらう。それを一動作で掴むのだ。手と腕は水から出してはいけない。このエクササイズをやれば、最短軌道、リラックスした肉体、筋肉の協調、そして素早い反応の意味をすぐに理解するようになるだろう。すべては、しっかりとしたストライクを打つ技術を養うために必要なものばかりだ。
 10回中7回まで小石を拾えるようになったら、誰もあなたのストライクを止めることはできないだろう。
 みなさんがトレーニングを上手に行い、大きな成果を得ることを願っている。それではまた、お会いしましょう。



著者紹介
コンスタンチン・コマロフ氏は、2012年8月に行われたシステマ・フルレンジ・キャンプで教えるためロシアからカナダを訪れたマスター・インストラクターの1人。ロシア特殊警察軍少佐であり、戦闘心理学で博士号を持つ。また、モスクワではプロのボディーガードとして要人警護も行う。

Konstantin Komarov

- Major in the Special Service Police Force
- Russian Military Reconnaissance
- PhD in combat Psychology
- Professional Bodyguard for Moscow's Elite
- One of the master instructors at Systema Camp